ロルフィングのアプローチ

ロルフィングのセッションをする場合の、ロルファーがどうやってアプローチをしていくか。アプローチのタクソノミー(分類法)には、いくつかの種類があります。ロルファートレーニングでも習う代表的なものを書いておくと、

1構造的なアプローチ 骨とか筋肉とか構造的にみていきます。

2機能的なアプローチ 可動域とか、動きとか、制限とか見ていきます。

3幾何学的なアプローチ 体が本来持つ、全体的な性質、方向性や、前後、上下、左右、三次元空間の中の確保されていくスペースとかからアプローチします。

4精神生物学的なアプローチ 精神状況や考え方、感じ方、また胎生学的なアプローチを指します。

5エネルギー的なプローチ 身体のエネルギーの現れ、勢い、流れ、エネルギーが塞がれている、開いているとか、動きやパターンで内と外でのエネルギーの現れ、厚み、太さ、などからアプローチします。

 

こうして書いて見ると、10シリーズのセッションでは、ほぼ全てのアプローチを使用しているように思います。僕の場合は、これ以外に心理的なアプローチ、イメージや表現的なアプローチ、関係性からのアプローチなども併用しています。これは、カウンセリングの世界でいう所のカール・ロジャーズのクライアント中心主義ということを考えていたらツールとして良いものが色々あって、色々と興味が進んでしまったのもあります。確かにあまり広げていくと、クラシカルなロルフィングからすると、どこまでがロルフィングなのかと思える面もありますが、昨年アドバンストレーニングのインストラクターであったレイから聞いた話ですが、「ロルフィングでないものは何か?」という問いを我々ロルファーに投げかけました。そんなこともあり、僕はロルフィングの文脈でこれまで扱っていたものでないものも、ロルフィングにぶつけていくことを自分として行なっている面があります。

 

何と出会っても、ロルフィングはロルフィングで、そうして社会や世界の様々なものの中でこそ、ロルフィングは発展していくのではないかと思っています。ロルフィングは完成した体系ではなくて、まだまだ発展途上のボディワークで、これからも変わっていくし、社会の中で交わっていかないといけないのだと思っています。一つ知っていって欲しいのは、ロルフィングは、人間の身体が本来持っている潜在能力や自然な治癒力を引きだしていく画期的なプログラムだということです。これはどんなタクソノミーが生まれてこようが変わらずに実現されていくものだと思います。

視覚の変化

ロルフィングでは、色々な変化を経験しますが、代表的な変化に視覚的な変化が起こります。視覚的な変化というのは大げさにいうと、見える世界が変わるということです。見える世界が変わる。

 

そんなことが起こったことのない人にとっては、「ふーん」という感じですが、ずっと制作をやってきて、世界を変貌させてきて、いつも変化を起こしてきた僕にとっては、変わることは慣れていたけど、目で見える世界が変わることは、当時大衝撃であった。

 

制作で創造していく記号的な差異、イメージ的な差異の比ではなく、個人の中に新しい身体の体感がズブズブと入ってきたのである。驚きというよりは、不思議だった。

 

ユーミンは目で見える全てのことはメッセージだと言ったけど、この違うものが見え出した僕には、当時ものすごいメッセージが届いた気がした。世界が変貌し、世界と自分との関係性がぐるぐると変化し出した。

 

声にならない位の驚きを持ってロルフィングと出会ったのである。これって広告を作るよりもずっと面白いのではないか!制作の仕事に飽き飽きしていた僕はには、一気に恋に落ちた。これは取り組むに値する素晴らしいものなんじゃないだろうかと。

 

体の変化は、内的な体験なので、個人個人の知覚に依存するらしい。クリエイティブに従事する方々、いち早くロルフィングを受けることをお薦めする。姿勢とか、健康とか、動きとか、抜きにして経験としてあたなのクリエイティビテエィを大いに刺激してくれることだろう。

大団円

小説・劇などの最後の部分。「団円」は、丸い円のことで、転じて、欠けることなく完全に終わること、円満なさまを意味することから、演劇や小説などの最後の場面、すべてがめでたく収まる結末を「大団円」というようになったそうです。

ロルフィングは、自己調整力、自己管理していく体を作っていくもので、ずっと受け続けることはなくセッション10で終わります。施術者とクライアントの依存の関係を作らないのです。

 

またロルフィングを再度受ける時は、また別のセッションシリーズを組んで行っていきます。なので10シリーズでは、セッション10がこの大団円のセッションになるように心がけています。

毎月、笑顔で大団円のセッション10を迎えられること。これはロルファーとしての喜びの一つでもあります。

 

体は、本当に奥深く、ミステリアスで、力強く、素晴らしいものです。自分の体の素晴らしさ、可能性を、少しでもあなたに感じて頂きたい。自分の体の声に耳を澄ます。そんな機会を是非全ての方に持って頂きたいと思っています。

(写真はイメージです、笑)

人間性回復運動

人間性回復運動(Human Potential Movement)は、1960年代のアメリカ、主として心理学分野において生じたムーブメントです。 「幸福」「創造性」「自己実現」の主体である人間の「人間性」や「人間の潜在能力」を、回復・発展させることを目指していました。

 

人間性回復運動の時代背景としては、アブラハム・マズローが心理学の「第三勢力」であるとした人間性心理学と連動したムーブメントがあり、エンカウンターグループやゲシュタルト心理学などをとおして、俗に「第四勢力」としてのトランスパーソナル心理学へとつながる基盤となっています。

 

人間の可能性を開こうとしていたわけですが、その過程として、ドラッグ・カルチャーやヒッピーやニヒリスティックなカウンター・カルチャーの基盤ともなっていきました。

 

ロルフィングは、この運動の前からありましたが、60年代に入り、身体的な可能性を研究していたエサレン研究所にて、アイダロルフも同時代の先駆者たちと幅広く交流します。元看護師、ダンサー、ゲシュタルト療法等の経験者でアイダの教えを受けた人たちは、10シリーズとは別にSomatic Education(感覚運動系の教育)を組み立て、ロルフムーブメントを誕生させています。

 

ロルフィングの話をすると80年代以降、クラニオセイクラルなどのモティリティワーク、そして内臓ワークを取り入れるロルファーが出てきて、今のロルフィングのスタイルになってきています。(施術者によってタッチが違うのはどのツールを使うロルファーかということですね。)ロルフ研究所は1972年にコロラド州ボールダーに誕生し現在に至ります。当初アイダロルフは、心理や医療まで含めた展開を考えていて、そのロルフィングの3つの拠点での展開をRIに託したたようですが、現在のところボールダーでの現在の展開のみとなっています。人間性回復運動は、ロルフィングにも大きく影響を与えているのですね。

 

さて人間性回復運動はその後、時代の表舞台から消えていわばアンダーグラウンドで、形を変え時代に大きく影響を与えてきたと言えます。時代は、見た目優先社会、オーディオビジュアル、ゲーム、パソコン、ネット、スマホカルチャーが覆い、人間を視覚的な価値観から分解していくことになります。

一方人間性回復で、開発された手法やツールは、人間性開発を目指しながら、修行や超常体験や自己啓発を銘打ったカルト的な宗教や、ドラッグカルチャーの蔓延などを含みつつ、我々に人間性のあり方を模索するアイテム、そしてストレス社会へのカンフル剤としてそのあり方を問われ続けています。人間の在り方が問われる時代、全体性の回復を目指したニュートラルへの動きは今後ますます大事になっていくことだと思います。自分自身でいる為に。

 

 

 

ロルフィング雑考

 

ロルフィングを受けに来る人がどんな人かというと、ほんと様々です。一番多いのは、体を使うプロフェッショナルたち。例えばダンサーとか、インストラクターとか、プロの選手とか、あるいはセミプロレベルや高いレベルでスポーツや身体技法をやられている方ですが、最近は、一般の方もだいぶ増えてきました。

 

一般の方で一番多いのは、首や肩、或いは腰の違和感で、仕事でのパソコン作業や座り作業の多さ、または立ち仕事など、仕事での体の使い方が比較的固定されている方が多い感じがします。

 

だいたい体を固めている方が多いので、セッション1を受け、呼吸が変わり、胸郭から体が開いて来ると、全ての違和感から解放されてしまう方が9割方です。するとよく聞かれるのが、この開放感は、元に戻りますか?という風に聞かれます。いや一度変化した体は元には戻りませんと、答えると、半信半疑の様子の方が多いです。

 

元には戻りませんが、今の体で新しい癖がついていきますね。自分の体の動きに必要のない体の癖をリリースして行くために、10シリーズを頑張っていきましょうと答えます。自分の体に興味を持って、お任せではなく自分の体と出会っていって欲しいのです。体のことに限りませんが、出会わなくても、生きていくことには、影響しませんが、ちゃんと出会っていった方が、生きている感じがしてきます。そして無意識に働いていた体の違和感を生じさせていた体の癖がなくなる分、楽な体になっていきます。この体がニュートラルにシフトしていく不思議さは、ロルフィングを受けた人しか伝わらないのです。

さてセッション3を迎える頃には、始め感じていた違和感はほとんど手放して、次なる気づきに向かいます。それは自分のコアとの出会いです。(俗にいうインナーマッスルのようなものですが、ロルフィングではコアと呼び、概念の範囲が少し違います。)

自分の体でありながら、自分のインナーマッスルを感じたことのない人って意外に多いです。コア感覚があると体の安定性が変わってきます。こうして徐々に体を構造的、機能的に、統合する方向へ再構築していくのが10シリーズです。そしてセッション7を迎える頃には、かなり統合された体を感じることになります。

8以降は、体の動きを使ったコーディネーション整えていきます。この8、9あたりはただ構造、機能的に動いていくのですが、ビフォーアフターの写真を見てみると姿勢に関して一番変化出てくるのはこの辺が多いです。そしてセッション10では、一人一人かなり違うセッションを行いますので、一般化できません(^ ^)