
博物館を巡ることは、まるで統合的な知を探求する旅のようです。先日訪れた千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館では、日本の歴史と文化が生活史の視点から丹念に構成されており、実物資料や復元模型の数々は見ているだけでも多くの気づきを与えてくれました。
歴史から学ぶ「今」と「自分軸」
情報が氾濫する現代において、「自分がどこにいて、何をしているのか、どこへ向かっているのか」を見失いがちな私たちは少なくありません。そんな時代だからこそ、自分軸を確立するためには、歴史的な知見が不可欠だと感じます。
歴史は単なる事実の羅列ではなく、そこに現れる人々の営みや発想は、今の私たちの生活のあり方を再確認する良い機会となります。デジタル情報に埋もれる中で見落としがちな文脈や、日本人が培ってきた生活の工夫や美意識に触れることは、私たち自身の可能性を広げてくれるはずです。
身体を通した統合的な理解
博物館で感じる、過去の人々の「動き」や「生活」の中にある発想や意図に触れることは、まさに今、ここにある自分自身の統合的な理解へと繋がります。これは、ロルフィングが提供する身体に関する統合的な知性とも共通する体験です。ロルフィングは、頭で考える知性ではなく、知覚や身体知性を通して自己を体現していくことを促します。
例えば、新しい身体軸の発見は、どんな言語的な理解をも超え、「今ここ」にあるという体感の知覚を呼び起こします。それは、身体的な気づきが起こるダイナミックな体験であり、頭の中だけで現実は動かないということを教えてくれます。博物館での学びも、ロルフィングがもたらす気づきも、身体性を伴う動的な理解によって、私たち自身の奥深い部分に触れ、新たな視点を与えてくれるのです。