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原風景は懐かしい心の居場所

 

 

人の心の奥深くに存在する「原風景」は、多くの場合、懐かしさとともに呼び起こされる心の居場所です。それは必ずしも実在する風景とは限らず、個人の思想や感情に大きな影響を与える心象風景であることもあります。

 

 

人が年齢を重ねた時に、最も古く、そして印象深く心に残っている風景やイメージが、この「原風景」と呼ばれます。その多くは幼少期の生活環境に根ざしていますが、旅先で偶然出会った景色が原風景となることもあり、共通して「郷愁を呼ぶ風景」として心に刻まれます。

 

しかし、原風景は時に美化されたり、都合の良いように変化したりするとも言われています。

 

 

私にとっての原風景

 

私にとっての原風景はいくつかありますが、まず思い浮かぶのは生まれ育った川崎の自宅からほど近い生田緑地の奥です。現在は岡本太郎美術館へと続くアプローチにある、メタセコイアの木々が生い茂るあたりが、まさにその場所です。

 

そして、今の住まいの近くでは、明治神宮の裏出口へ向かうエリアもまた、私の原風景の一つです。ザクッザクッと枯葉を踏みしめる音を立てながら歩くこの辺りの雰囲気は、都心にいることを忘れさせる趣があります。

 

原風景は他にもいくつか思いつくので、また別の機会に紹介したいと思います。