潜ると見える違う風景。

一番最初に取るダイバーライセンスであるオープンウォーターダイバーのライセンスを持っています。OWD資格を取得すると、2人以上のダイバーと一緒に18mまでダイビングをすることができます。

 

海に潜ると、気圧が代わり、見え方の距離と大きさ、音の伝わり方、触覚、呼吸など様々な知覚が変わり、意識が少し変容してきます。地上とやることが少し変わります。呼吸の仕方、耳抜き、他者との関係、波に対する対応、浮力、機器のコントロール。など慣れるまで大変です。最初はとても楽しんでる暇もなく、シュノーケリングの方がよっぽど楽だと思ったものです。

 

慣れてくると、10M潜るだけで、全然違う世界に魅惑されていきます。新しい体を持ったような感じで、人魚のような自分を感じます。考えるでなく、アクティブに感じていく自分になっていくのを体感します。

 

上野で開催中の深海展に行ってきました。18Mをはるかに超えて3000M、6000Mの海底でも生物は生きている。不思議な生物たちに出会いました。探査船でもなかなかいけない水深6000Mの世界で、捕食活動をする彼ら。一体口の中や目はどうやって圧力を調整しているのだろう。体の不思議です。概してグロテクスに思える天然の造形でした。想像を絶する在り方はまるで宇宙人!環境と共生するとは厳しい世界であることを実感しました。

 

我々は環境と共生することから飛び出して人工空間の中に新しい環境を作ってその中に住むことを始めました。さらに画面の中、バーチャルな世界を構築し、意識だけその中に入り込みつつあります。自然からずっと遠のいてしまった環境に我々の体はどう適応していくのでしょうか。適応不全から、心身を病む人も多いと思います。以前、映画でマトリックスというのがありましたが、我々という主体性は、一体今どこを生きているのか、身体なのか、作り出されるイメージや概念の中なのか、あるいは心の世界なのか。お金、言葉どのマトリックスを生きているのか。

様々な現実や世界や身体がバラバラと交差し合う、普通に生きていく、誰かと普通に出会うことさえ、難しくなってきている現代都市生活だったりします。

 

もう一度、あなたの体を、生きている確実な実感を取り戻して見ませんか?あなたは救世主かも知れません。シンデレラかも知れません。

体を取り戻すと、今にいなかった自分が慌てて自分に戻ってきます、笑。

生きているという実感は本来、身体体験ですからね。