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シックス・センス(その3)

日本人は会話は出来るけど、対話が苦手だとよく言われます。確かに日常生活で話をしていいて、おしゃべりで、よく話す人がいても、たくさん話しているだけで、対話の出来ない人が多い気がします。無意識ですが、自分の話しかしない人も多い気がします。

 

思えばロルファーになる前は、僕もそうだった気がします。対話力というのはロルファートレーニングで鍛えられます。なぜかと言うと、身体的な介入には対話が必要だからです。不思議に思うかも知れませんが、自然な身体自体の特性として、そう言う風に出来ているのです。

 

深い部分、コアへどうやってリリースするのですかとよく聞かれますが、対話を続けて介入していけば、身体の深い部分へも介入出来てきます。それは意識が司っている部分とも違う脳の管理・管轄になっているのです。自分の無意識にアクセスされることは、日常生活ではあまりありません。ですから意識にとってはびっくりです。そうして深い部分からのリリース、そして統合化を繰り返し、身体の機能的なユニットとしての健全性を高めていくことにより、機能的な回復が行われるのです。この時、知覚はその前とはだいぶ変わったものとなっています。不思議ですね。

 

この辺りは言語化は難しいのですが、ロルファーにとっては、比較的意識的に行うオペレーションの一つと言えます。新しい知覚を身体に下ろしている感じでもあります。それは特殊技能かと言えば、僕は特殊技能ではないと思っています。なぜなら、ロルファートレーニングを通じて出来るようになったものですので、多分昔の人間、道具や技術や科学に頼らない時代の人間には出来たことだと思っています。縄文人のような知覚が蘇っているのかもしれないなと思ったりします。本当のところはどうでしょう。           (つづく)