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あおくんときいろちゃん

絵本を読んで貰った経験はありますか? その記憶の中でその本は誰に読んで貰いましたか?

 

 

多忙で心病んだ時に、ゲシュタルト療法で、リーディングした際に出てきた幼い頃の僕は、「お母さんに絵本を読んで欲しかった」みたいでした。家がお店を営んでいましたので、うちの母は忙しく、とても本を読んで貰える感じではなかったのです。そして僕は、おばあちゃん子になり、おばあちゃんの愛情の元で成長していきました。絵本を読んだり、餃子を作ったりしながら。

 

母親との関係性は、その後人生で出会う人に影響を与えるといいますね。そんなこと気になって来るのは、なんと母を介護する年齢になってからのことでした。人生とは実に不思議です。

 

 

さて最近お気に入りの絵本です。

 

あおくんときいろちゃんは一番の仲良しです。ある日、あおくんはきいろちゃんと遊びたくなって、あちこちさがしまわってようやく出会いました。二人は、うれしくてうれしくて抱き合って喜ぶうちに、緑色になってしまいました。いっぱい遊んで家に帰ると、あおくんの家でもきいろちゃんの家でも「うちの子じゃないよ」といわれてしまいます。二人は悲しくて泣いて泣いて全部涙になってしまいました。すると青い涙はあおくんに、黄色い涙はきいろちゃんに戻りました。

 丸くちぎっただけの色紙が本当の子どものように生きて動いて見えます。形のおもしろさ、色の美しさがお話の中に十分に生かされています。