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ネガティブ・ケイパビリティ

ネガティブ・ケイパビリティとは、 答えの出ない事態に耐える力のことを言います。withコロナの出口はまだ見えない中、今日はこの言葉をご紹介します。

 

多くが悩める時、最も必要と考えるのは共感力だと言います。共感が成熟する過程を共に過ごし、容易に答えの出ない事態に耐えていく能力をさします。イギリスの詩人、ジョン・キーツにより発見され、従軍精神科医であったビオンにより一般化しました。

 

 

ジョン・キーツのエンディミオンという詩をシェアします。

 

  美しいものは永遠の喜びだ

  それは日ごとに美しさを増し

  決して色あせることがない

  わたしたちに安らぎをもたらし

  夢多く健康で静かな眠りを与えてくれる

 

  それ故毎朝わたしたちは花輪を編み

  自分たちを大地に結び付けるのだ

  落胆していようとも 暗澹とした日々に

  生きるのがままならないとも

  なにもかもが意に反して

  むしゃくしゃしていようとも

 

  わたしたちの心の暗闇から不吉なものを

  追い払ってくれる美しさがある 

  太陽や月の美しさがそうだ

  また若葉を芽吹いて繁みとなる木々

  緑に包まれてのびのびと咲く水仙たち

  灼熱の季節にも自分のために

  涼しさを生み出す小川の流れ

  麝香バラの咲き乱れる森の繁み

 

  またわたしたちが偉大な死者について

  思い描く運命の壮大さや

  聞いたり読んだりした美しい物語の数々

  天空の一端からわたしたちに降り注ぐ

  不死の飲み物の尽きせぬ泉に そんな美しさを感ずるのだ