身長が伸びる? 不思議な身体の変化に迫る!

 

「ロルフィングを受けると背が伸びますか?」この質問、実はよく聞かれます。ロルフィングの10シリーズは、決して身長を伸ばすことを目的とした施術ではありません。ですが実際に、多くのクライアントがセッション後に「背が伸びた」「目線が高くなった」といった体感を口にされます。

これは一体どういうことなのでしょうか?

 

 

「伸びる」のではなく「戻る」——本来の高さへ

 

ロルフィングでは、身体に蓄積された緊張や習慣的なパターンを解放し、より効率的に重力と調和する構造へと導いていきます。その結果、姿勢が整い、関節や筋膜の制限が解かれ、身体全体が上下に広がるような感覚が生まれます。

つまり「身長が伸びる」というのは、実際には失われていたスペースや動きを取り戻し、「本来の身長に戻っている」状態と言えるのです。

年齢に関係なく、30代〜50代以降でも1〜2cm、なかには3cmほど変化を感じたという例もあります。計測上の変化だけでなく、「地に足がつき、頭が空に引かれている感覚」「呼吸がしやすくなった」といった、身体感覚の変化として実感される方も多いです。

 

 

身体は構造であり、構造は変化する

 

私たちの身体は、「テンセグリティ構造」と呼ばれるネットワーク構造でできています。これは、骨が浮いていて、筋膜や筋肉の張力によって空間的なバランスを保っている構造です。

この構造のユニークな点は、どこか一部に制限があると、全体にその影響が波及すること。そして逆に、ひとつの制限が解けると、全体が自然と再編成される可能性を持っているということです。

ロルフィングは、こうした構造のつながりを尊重しながら、身体全体を再教育するプロセスです。意識だけでは到達できない無意識の身体パターンにアプローチすることで、深く安定した変化が起こります。

 

 

 

身体を「頑張って変える」のではなく、「戻していく」

 

身長を高くしたいなら、ただ背筋を伸ばしていればよい、という考えもあるかもしれません。でも、それをずっと続けるのは疲れますよね。

ロルフィングでは「無理に姿勢を保つ」のではなく、「構造が整えば、自然に姿勢が変わる」という考え方を取ります。だからこそ、変化が楽で、長続きするのです。

 

 

 

身長の変化は「副産物」にすぎない

 

ロルフィングの本質は、単に見た目を良くすることではなく、あなた自身の感覚を取り戻すことにあります。構造が整い、重力と調和することで、呼吸、歩行、表情、そして人生の質までもが変わっていきます。

 

その変化の中で、「身長が伸びた」と感じるのは、あくまで自然な結果のひとつ。ロルフィングは、あなた本来の可能性を引き出すための、深く穏やかなプロセスなのです。