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パラダイムシフト

 

この絵は何に見えますか?

 

画面奥に顔を向けている若い女性、あるいは横顔を見せている老いた女性の二通りに認知することができるそうですが、僕はなかなか老婆が見えて来ませんでした。皆さんは如何でしょう?

 

参考までに若い女性しか見えない場合は、耳を目に、アゴを鼻に、ネックレスを口にすると老婆が見えてきます。また老婆しか見えない場合は逆に、目を耳に、鼻をアゴに、口をネックレスとして見ることで、両方が見えるようになります。

 

若い世代では若い女性を最初に認知する人が多く、年配の世代では老婆を最初に認知する割合が高いそうです。

続いて、こちらは如何でしょう。

 

うさぎとカモが見えてきますでしょうか?

 

パラダイムシフトとは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは、劇的に変化することをいいます。

 

日本ロルフィング協会のサイトが新しくなりましたが、新しいサイトには、ロルフィングによって、パラダイムシフトが起きることがあるという風に書いてありました。

 

個人が今まで考えていたことが、ロルフィングを受けることにより、時にパラダイムシフトを受けることさえありますということですが、これは本当です。身体が変わると、意識や発想が変わっていくのです。もちろん、全ての方が同じことが起きるわけではないのですが、大きく気づきを与えられる方もいらっしゃいます。見える世界が変わることさえあります。

 

自然科学におけるパラダイムシフトを掲げてみますと、ケプラーの法則や、万有引力の法則、地動説(コペルニクス&ガリレオ)、大陸移動説(ヴェーゲナー)、相対性理論(アインシュタイン)、量子力学、進化論(ダーウィン)、DNAの二重螺旋構造あたりが、パラダイムシフトですね。また僕が大学の時に学んだソシュールの言語学における恣意的な関係もパラダイムシフトと言われています。

 

そんなものと、比較していいのか!と言われるかもしれませんが、自分の身体の内側でそれくらい大きな変化が起こる場合もあります。個人にとっての衝撃度では、身体の外の世界の相対性理論や二重螺旋の発見に、決して負けないパラダイムシフトを、身体と意識に起こす場合もあります。言ってみれば知覚のウチとソトとの関係を変えているわけです。

 

言わば身体が出会う場、自分対宇宙の関係性を変えていることにも繋がります。頭の中での変化、言葉とか貨幣とか、世界観とかとは次元が違います。

 

 

しつこいですが、もう1つ出しておきます。こちらは「インデアンとエスキモー」という有名な絵です。2つの絵が見えてくるでしょうか?

 

自分が今までみていた世界観が、少し違ってみえる時に、そっち側の絵を見たあなたが、その絵をどういう風に感じるか。そうした新しい感じ方をあなたが受け入れるか、どうかは分かりません。

 

魔法や不思議ということにしていてもいいし、その新しさからみえる世界も含めて、新しい世界にしていってもいいし、また元のパラダイムに戻ってもいいのです。でも一度見てみるということは、あなたの人生で決して無駄にはなりません。

 

そういう見え方があるということを感じた事実は、あなたの無意識の中に焼き込まれていて、今までと同じようでいて、少し違うあなたが、あなたの今をその後、経験し続けていくのです。出会いというのは時空を超越したものなのです。