何もしない贅沢

「何もしない贅沢―自分だけの時間を持つシンプルな方法」。

 

 

この本は、ロルファーになった頃、10シリーズを終えたお客さまにお配りしていた本です。この本を手渡しし、シリーズでの、アウェアネス(気づき)についてダイアローグ(対話)をしていました。

 

お客様のとダイアローグ。

ロルフィングという良く分からないプログラムを、その人の言葉で言語化して貰う、フィードバックの中に、自分のセッションの個性を見出そうとしていました。セッションの自分の個性がなんとなく分かってきたところで配るのを辞めましたが、多分50冊打つほど配ったと思います。

 

 

さて、この本は「The Art of Doing Nothing」 というのが英語での原題です。あくせくと毎日をおくっていると生きることの幸せを見失いかけていることに気がついてくださいという問いかけのような本です。自分を取り戻すため、ゆったりと過ごすためのアイデアが美しい写真とともに紹介されています。ちょうど今のように、コロナで少し時間的な余裕が出来ている時期には、とてもいい本だと思います。

 

 

昨今の座禅やマインドフル瞑想の流行りを見るまでもなく、何もしないことや、何も考えないこと。ぼーっとすること、がなかなかできなくなってしまった都市生活があって、なんなんだろうって思ってきました。情報が多くなり、そして更に情報を手にしようとして常時スマホでSNSに興じているのって、それって仕事だけで疲れている視聴覚系に対して更に刺激し過ぎている意識って、ちょっとバランスよくない、存在としてニュートラルじゃないのかなとちょっと思うボディワーカーです。もっと体に、もっと体を、気にして、戯れて頂きたいと思います。体の声を聞くってやっっぱり大事なことなんだと思います。

  

自分だけの時間を持つシンプルな方法

この中で紹介していることは、ちょっと紹介すると、行き先に最短距離でなく回り道をすること。(ちょっと無駄なことをしてみること)。上手な呼吸について。瞑想への誘い。楽に過ごすひとときについて。一人で過ごすリラックスできることや発想の転換法。昼寝の勧め、などなど。気づきのヒントが色々ある本です。

 

仕事環境、生活環境でのデジタル環境が増大し、よりストレスフルな社会になった現代人に必要な人間らしさを取り戻す、リセットするためのアイデアが示されています。自分だけの時間もデジタルに過ごしていると、自分では気がつかない間に、自分の知らない自分に変容していることだってありかねないと思います。さてあなたはどんなリセット方、コーピング(自分のストレスに対して行う意図的な対処)方法をお持ちですか。

 

タイトルだけ見ると、ちょっと怠け者で、寝てしまいそうな気もしますが、あくせく働く都市生活を送る日本人にとっては、本当に大切だと思うことが取り上げられています。(2020年現在、ちょっと時代が変わってきたので、少し内容を一新したい気がします。しばらくサイト内コンテンツで扱ってみようか。リセットやリラクゼーションも大事ですが、少し先を見据えたメインテナンス的な発想を入れさせていただいて、自分のニュートラルへシフトしていく、自分自身になっていく、という要素を加えたいですね。)

 

The Art of Doing Nothing

さて最後に。このartという言葉は、英語だと日本語のアートとは少し違う使われ方をします。日本語でアートというと、どうも特定のアート作品制作者を指すことやアーチストというと特定の職業のような印象も受けますが、元々の英語の意味ではもう少し広く、生活の中に、仕事の中に、人生の中のちょっとした工夫やワザみたいな意味で使います。生活にも仕事にももっとたくさんart発想があっていいと思います。ちょっとしたやり方、工夫を凝らしていく、そんな「技法」、artなこころをひとりひとりが持っていけるといいなと思います。

 

 

日常生活や仕事に行き詰まりを感じた時、考えて解決するやり方で現実がうまくいかなくなった時、それは自分を取り戻したいという無意識からのメッセージだと思います。考える中ではなかなか出口が見つからなければ、一度自分の体に聞いてみては如何でしょうか。