
子供の頃の記憶や気持ちって、いつまでも自分の中に残っているのかもしれない。
先日、GLIM SPANKYのライブに行った。古い時代のロックやブルースを基調としているので、懐かしい気持ちで聴ける。そこに今どきの感性の歌詞が乗っかってくる。アンコールの1曲目にかかったのが「大人になったら」。その歌詞にこんなフレーズがあり、心に残った。
『おはよう』なんて言う気分じゃないのさ、気が滅入る。
あぁ、ずっと子供でいたいよ。
そうは思っていても、すっかり大人になってしまったと。会社に行って、笑顔で「おはようございます!」と笑顔で振舞っている自分。子供が無愛想で挨拶しなければ、「挨拶くらいしなさい!」と小言を言ってみたりする自分。そして、そんな自分の方が普通だと思っていたりする。
猫を被るように、大人は知らないこの輝く世界がだんだん見えなくなっていくけれど、いつか昔に強く思った憧れは決して消えない、決して消えやしない。
さて、私のセッションでは多いのですが、セッション中に感情が出てくる方がいます。例えばこんな感じです。
背中のセッション中に、突然、子供の頃の記憶がパーッと蘇ってきたんです。私は幼少時にカナダに1年間いたのですが、その時のオタワの川岸の芝生に座っていて、風がふわっと吹いてきて、光がキラキラしていた、その時自分が感じていた身体の感覚を思い出したんです。これはうまく言えませんが、目で見た記憶ではなくて、肌で感じた空間の記憶です。何年も思い出さなかったような記憶でした。同時に、好きだった曲も思い出しました。すごくびっくりして、確かに記憶自体はあるけれど、感じていたことをダイレクトに思い出すことって、普通はないことですよね。「感覚を思い出した」というのはすごくて、すごく興奮しました。つい、家に帰ってから小さい頃の写真を引っ張り出してきちゃいましたね。なんか「もう一度自分に出会い直す」そんな感覚が得られたと思います。