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ストレスと血液

カナダの精神科医 ハンス・セリエの学説によると、苦しみ、恐れ、不安などの精神的・物理的な刺激に対する体内の反応は関係があるのだそうです。心理的な緊張が自律神経系を興奮させ、血管を収縮させる。この自律神経系の特異反応をストレスといいます。

 

ストレスを多く感じる人は神経過敏な人に多く、人間というのは怒ったり、悲しんだり、恐れたりすると、血液とリンパ液が変わってしまう。怒れば血は黒褐色になって味が苦くなる。悲しむと茶褐色になって味は渋くなる。恐怖心がでてくると血は丹青色となり、味は酸っぱくなる。そういうふうに色と味が変わると血液が本来の働きをしなくなると言う。血液の本来の姿というのは弱アルカリ性だそうで、弱アルカリ性の血液であるかぎりは、人間の体は病原菌を退治するようにできています。

 

この状態であれば、いかにコレラ菌を飲もうが腸チフス菌を飲もうが人間は病気にならない。神経過敏というか、気の弱い人間は、血液が免疫性のある弱アルカリ性から酸性に変化してしまうので、病原菌どころか普通のバクテリアにまで冒されてしまう。

ストレスは心の病、心が消極的であると、いちばん先にやられるのが循環器障害。血液が循環する血管の中にいろいろな変化が起きることから、血圧が高くなったり反対に低くなったりします。 同時に血管の中を質の悪い血液が流れているから、その結果、臓器障害を起こすことがあるのだそうです。

 

 

さてボディワークでは、血管も対象にしています。どういう風にやるのか?よく聞かれる質問です。基本はマニュピレーションという手法です。なぜそんなことが出来るのかというと、血管も筋膜で覆われていますので、この膜に対してアプローチします。

 

正しく正確な動きをするということには、骨や筋肉だけでなくて必ず血管(や神経)も一緒に動いているわけです。体を動かす時、血管も一緒に動いているのって想像するとちょっと怖いイメージです。血管って、柔軟なホースのようなものですね。

 

 

統合的なワークですと、必要に応じて血管にもアプローチします。特に血管だけにアプローチするようなことはしませんが、10シリーズを進めるにあたり、必要があればワークする感じです。そしてそれは神経や内臓、傷や骨に対しても、同じようにワークすることがあります。

 

 

さてこの血管が作り出している全体も一つのボディを作り出しています(写真参照)。そのボディごとの全体性。そして他のボディとの協調性に働きかけ、調和させる。そんなことも、ロルファーとしては扱う範囲となります。イメージが湧きづらいかもしれませんが、ボディワークとは、時にとても奥深いものなのです。

 

自律神経が乱れた。という言い方をよくしますが、ストレス源は何?と、頭は原因を単純化して、それを排除することを考えますが、それでも残るモヤモヤやイライラなどには、こうした体の小さい声に耳を傾けていくことで、その部分を含め、健全性を回復指定いくことで、良くなることもあるのです。