再生

「三菱一号館」は英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された、明治初期の洋風建築。全館に19世紀後半の英国で流行したクイーン・アン様式が用いられています。この建物は老朽化のために解体されましたが、2010年春、三菱一号館美術館として生まれ変わりました。庭園とカフェの風景が美しい都心のオアシスの一つです。平日昼間でも多くの人が訪れていました。ご婦人方のグループと、それからご夫婦が多いですね。

 

使い捨てではなく、あるものを生かす発想。これからの日本で大事なことだと思います。この美術館では階段部の手すりの石材など、保存されていた部材を一部建物内部に再利用、意匠や部材だけではなく、製造方法や建築技術まで忠実に再現していました。美術品と同じくらい建物が見所でもある美術館です。

そこから歩いて数分、場所は変わって東京大学・インターメディアテク『IMT』。

IMTは、日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館が協働で運営をおこなう公共貢献施設で、丸の内の KITTEの中にあります。こちらも昭和モダニズムを代表する歴史建築として知られていたビルです。

各種の表現メディアを架橋することで新しい文化の創造につなげる「間メディア実験館」という。東京大学が1877(明治10)年の開学以来、蓄積してきた学術標本や研究資料など、「学術文化財」と呼ばれるものの常設展示で、歴史的な遺産を、現代の都市空間のなかで再生させるデザイン技術にて無料で展示されています。

 

今回目を引いたのは、空襲でどれだけ東京が消失したかを示す東京消失地図(ネットにありました→地図)。東京の街はほとんど焼け野原だったんだなーと驚愕しました。それはまだ72年前のことなんですね、と2度驚愕。破壊の後の創造、再生、発展って素晴らしいな。昔の建物を手入れしていけば、今の街にもオアシスになる素敵な在り方ができますね。

古代インドだと、ここからシバ神がでて来て破壊して行くわけですが、21世紀の我々は、「共生」の神様と共に、共存の街を作って行けると良いですね。(ミサイルが飛んでいて危なっかしい世の中ですが、しっかりといい関係性を作っていきたいところです。)

 

さて、繋げていくのは、身体では筋膜。街では我々人間。しっかりと、いい関係性を作り、社会を繋いでいきたいところです。共に生きる。メンテナンスという発想があれば、関係が再構築されて、身体も街も、新しい在り方にリニューアルされていきます。再生技術は、医療や顕微鏡の中だけでなく、我々の生活や仕事、生き方、在り方なのかも知れません。