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人間は星だ!

 

「人間は星だ!って、教壇に立って、熱く語っていた60歳近い年齢の教師だったという三木成夫教授。東京芸大の教授でもあった独自の世界観を持つ細胞学者です。学生時代に読んだ本の中の印象的な1冊です。

 

 

あの当時は、フーンと読んでたけど、ボディワーカーになった今、その言動はどれもそうだよね、って共感できるから不思議です。きっと身体を研究していくと、きっと見えてくることは一緒なんじゃないのかな。身体的に開いて、共振していくと、本には書いてない、言葉になっていない生命情報に、我々は直接意識は出会っていくのだと感じます。

さてフェイクニュース溢れる情報化社会、信じれるのは何ですか? テレビ?ネット?書籍?友人の言葉?それとも自分の知覚?

 

 

Regenerationの中で3度使ったのも星空。表現力がなくて、初めて作った映画で、再生の時への想いを込めて描けたのは、悲しいかな、それが精一杯でした。人間というのは、一体どれだけ経験をし、どれだけ描いていけるのでしょうか。僕がロルファーになってから感じた身体的な体験は、この先どれだけ表現出来るのでしょうか。ギルガメッシュ叙述詩のような壮大な物語が、なんどもなんども僕の意識の中に現れては消えていきます。そして目で見える星ではない星々の輝きのようにずっと煌めいています。やはり人間は星なのです。

 

 

 

 

人体 5億年の記憶: 解剖学者・三木成夫の世界

 

私たち人間のからだは、魚であった時代の名残をたくさん抱えている。たとえば、私たちの顔で表情をつくり、口を開いて声や言葉を発する筋肉も、魚だった時代の「えら」の筋肉が変化したものだ。水中で生活する魚類では、顔面に味覚を感じる細胞が集中したが、上陸に伴い、ヒトでは乾燥を避けて口の中の舌でのみ味覚を味わうようになった。東京大学の医学部の学生が特別講義を聞き終わった後、感動の余り拍手したという伝説の解剖学者、三木成夫の話術は、保母さんたちを相手にした一般講演でも笑いが絶えなかったという。そうした絶妙な語り口に、入学したばかりの大学生だった著者も強く惹かれていく。不世出の天才、三木成夫の「人間の見方」の全体像を、ひとつのまとまりのある本として読者に提供すること、これが本書の挑戦である。解剖学は難しくない、人間の体や心の見方が180度変わる。