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ホリスティックアプローチ

ロルフィング用語として出て来ませんが、ホリスティックという言葉の意味を見ていくと、ロルフィングは、このホリスティック医学の一つと言えます。会長 帯津良一氏、名誉顧問にアンドルー・ワイル氏が名を連ねる 日本ホリスティック学会でのホリスティックの定義は以下の通りです。

 

精神・身体・環境がほどよく調和し、与えられている条件において最良 のクオリティ・オブ・ライフ(生の質)を得ている状態 』を健康と考える、より積極的な状態としています。

 

当協会では、ホリスティック医学を次の5つの視点で定義しています。

 

<ホリスティック医学の定義>

1. ホリスティック(全的)な健康観に立脚する

2. 自然治癒力を癒しの原点におく

3. 患者が自ら癒し、治療者は援助する

4. 様々な治療法を選択・統合し、最も適切な治療を行う

5. 病の深い意味に気づき自己実現をめざす

 

とあります。ロルフィングの在り方にかなり近い概念であるように思います。

 

ロルフィングが成立したのは50年ほど前なので、20〜30年ほど前に生まれたホリスティックという言葉より前から、ホリスティック的なものだったように思います。ロルフィングの用語の中では、ホーリズムという言葉を使います。「ホーリズム」という表現自体は、ギリシア語の「ホロス」(全体、総和)に由来するので、同じ言葉から生まれてきた言葉のようですね。

 

なぜロルフィグがホーリズムかというと、ロルフィングで中心的に扱う筋膜というものが、体全体を包んでいて、それが、身体という全体性を元にした、働きやシステムを成立させていることに対して、知覚体系、つまり感じる力を高めながら、整っていく。ホーリズムという基本原則をロルフィングが持っているからです。

最近は、社会も複雑になり、人間の在り方も多種多様になってきていますので、ホーリズム、全体性の考え方も、広がりと集約が進んでいます。

 

ロルファーのセッションも、ロルファーごとに少しづつ違いますが、その人ごと、対象とする範囲も広がっています。

 

対象は筋骨格系に止まらず、循環系、神経系、リンパ、内臓や脳、精神生物学的、心理的な範囲まで広げてセッションを行うことも多くなりました。私の施術も、時代や社会状況に合わせて、多元的なセッションになってきています。

 

どんな技術も人と共に、社会と共に進化していくことが必要だと思っています。情報化で全体性を失いがちな現代都市生活者、自己表現者の為の、ホリスティックなアプローチを今後も自らの展開テーマとして提供していく所存です。