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インタビュー 吹上かずきさん (俳優・演技コーチ)

※今回は対話方式でお話を伺いました。

 

 

吉田 10シリーズお疲れ様でした。ロルフィング楽しめましたか?

 

吹上 はい、本当に毎回楽しかったです。一ヶ月に一度のペースでやっていたんですけど、来る度に体が変わっていくのがわかりました。今までにない体験ばかりで、体が変化したところから自分の認識や感じ方が変わる場面があり、すごく面白かったです。

 

 

吉田 ロルフィングを始めた経緯は何ですか?

 

吹上 あるパーティで吉田さんにお会いする機会があって、そこでロルフィングを紹介され興味を持ちました。舞台とか出ていても姿勢が悪いことを指摘されることが多かったのです。いつか矯正しないといけないなとは思っていた所に、ロルフィングを紹介され興味が湧きました。それと、タイミング的に、自分の中で、何かを変えたいという思いもあり、いい機会だと思い、始めました。

 

吉田 セッションで印象的だったことをいくつかあげて頂いてよいですか?

 

 

吹上 まず思いついたのは、前半の体を開いていくパートで、自分が感じていた閉じていた部分が、ぱあっと前に開かれていったのが印象的でした。それから、下半身とコアを繋げるようなセッションがあったのですが、それまでは体というのはしっかりとしたものだという認識で、体の揺れが必要ないもの思っていたのです。セッションで、体の揺れが作る安定感を体感し、姿勢とか含めて、固めて歩く歩き方から、揺れて歩くことへの変化が衝撃的でした。

 

あと別のセッションでは、頭から一本の線で、歩いているという大げさにいうと、それまでの歩くと感覚がシフトした感じがしました。それ以外にも、何ども体に関して、色々な発見があったことがたくさんあり、自分の体なのに、自分で全部把握してなかったことに驚きました。

 

あと吉田さんの見方や表現のテーマ構築の豊富さです。例えば「姿勢とかバランスがいいというのは、止まっている状態での安定、それから歩いている時の安定の違う。それを見ていきましょう」とかいうテーマを実際に体で体験していくとか、そういう発想や身体イメージ。人に動きを教えていく際の参考になることがたくさんありましたね。いい言葉が浮かびませんが、動きの安定感、空間の生かし方、など新しいコンセプトが僕の体とイメージにインストールされた感じがします。あと姿勢が悪いと、人から言われなくなりましたね。

 

吉田

ありがとうございます。色々変化があってよかったです。そういう感想を頂けると、演技者であり、また演技を指導する立場の方に向けたセッションを組み立ててきた甲斐があります。身体は、時間や空間を刻んでいくものだと思うのです。演技者は、間だとか、掛け合いとか、時間や空間を自在に使えていく身体を引き出すというか、身体の中にそうした引き出しが沢山あることを体感として感じていくことが大切だと思います。大げさにいうと時空を超えていく身体性でしょうか。

 

吹上 体が時間や空間を超えていくためには、やはり動きが必要ですね。3次元の中にもう1つ別の要素を入れていく、別次元で動いていく、そんな不思議な体験ができた気がします。一歩間違えると、空間というのものも、言い方がちょっと怪しい世界にもなってしまうのですが、役者に必要なものと言えば、例えば、気配、オーラ、空気感、間合いとか、また他人との掛け合いの感受性とか。そういう部分の引き出しが増えた気がします。吉田さんの指摘は、今まで考えたことのない発想で、他人の知覚が自分の身体の中に入ってくる感じがすごく面白かったです。今の僕にすごくマッチしたセッションでした。それはロルフィング中にもありましたが、セッションが終わって自分のレッスン中に気がつくことが多かったです。

 

吉田 その他に何か印象的だったことありますか?

 

吹上 体感として色々な変化がありました。例えば体が大きくなったり小さくなったり、笑。大きくなった。というのは広がった感じ、ふわふわした感じ。小さくなった。というのは、質量がずしっとした感じ、緻密になった感じ。抽象的な言い方ですが、そういう不思議な感覚が沢山得れるセッションであるという印象です。大きいのがいい。小さいのがいい。というのでなくて、それぞれ、体がまとまっている感じで、それぞれの身体感覚がそれぞれいい!と思える自分という身体観。新しい身体を得れた、選択肢が増えた感じです。それは特に下半身をやった時に感じました。

 

また、足が太くなる感じ。締まった感覚や、足首が硬く、使えるようになった感じ。歩幅。地に足がついた感じがしました。どれも面白かったなあ。人生で初体験の体感ばっかでした。体って面白いなと思います。一箇所でなく、体のバリエーションが増えたと思うんです。捕まえられる無意識のエリアが広がった感じです。

 

今まで筋肉とか、見た目とか、広がりとか、感じたことがなかったことに気がついたり、あるいは、多分経験していたこと、でも無意識だから気づいていなかったことがたくさん自覚できました。ロルフィングでは、自分の無意識を感じることができるんですね。そして自分の意識が広がった気がします。体って全体はもっと大きいんだよということを感じることができました。

 

それから街を歩いていて人にぶつからなくなりました。考えないで体がそうしているのを感じます。また自分を感じます。「今ここにいる」ような感じがします。あと他人から見て、身体オーラっていうんですかね、それが広がったように思います。

 

吉田 無意識の力が身体に出てきたので、無意識のコミュニケーションが増えたのでしょうね。語らずしてものを語る身体、身体知性はだいぶ増えている気はします。現代社会の身体性のマトリックスを一度外して、身体が感じる素の感覚を少し感じているのかも知れません。

 

吹上 そうですね、僕はよく街で歩いている人を観察しているんです。例えば信号待ちをしていて、よくそこで渡るなーと思うこととかあります。身体知性、体が感じる素の感覚って大事ですね。

 

吉田 本当にそうですね。現代社会生活では身体感覚の劣化はあると思います。その辺りの身体知性が回復されていくのがロルフィングというボディワークだと思います。今日はありがとうございました。