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頚椎上部の解放

夜ベッドに入り、自意識が薄れるあたりからその動きは始まっていた。が、知らぬ間に寝入ってしまった。 思えば昨日夜から胸のあたりに少しざわざわした気配があった。

 

朝、微かに目覚めると、昨夜からの変化は胸郭全体から頸部あたりに広がる振動となっていた。その振動は頭蓋に入り口腔内へと広がっていき、鼻腔内へも繋がっているように思えた。呼吸が楽である。一番感じるのは胸椎上部に空間が広がり、呼吸する気道のスペースに余裕がある。普段、排気量が1200ccの車に乗ってる人が2000ccの車に乗った時のような余裕を感じる呼吸である。少しポキポキと音がする。小脳の右部が少し熱い辺縁系が動いているのを感じる。

 

そしてそのバイブレーションは共鳴するように上へ上へと広がっていく。広がりを阻害していたものを切り開いて穴が開けられていくような印象である。それまで感じていた違和感のようなモヤモヤ感は肩を通過し、腕、そして手の平方向へ運ばれていく気がする。呼吸を感じている。正確にいうと呼吸しか感じていない。呼吸と一体になって、バイブレーションの拡散をただ受け取っている。

 

一連の変化が落ち着いたところで、僕は体を起こしベッドから出て、リビングへ向かった。そして、今あった身体的な変化があったことを妻に伝えようと思って声を出した途端、自分の声に驚く。なんと声が頭蓋に響いている。自分に聞こえてくる声が全然違う。昨年ボイストレーニングをしていた際、レッスン後に一時的にこの頭蓋からの発声ができたことはあったが、暫くすると昔の癖で、戻ってしまっていた。それが今朝、ボイストレーニングの時の何倍もの響き方で、頭蓋に声が響いていた。

 

分の声を口腔内、上顎骨?に当てて発声、その声を外から自分の耳で聞くという普通にできる人にとっては単純な行為が僕はうまくできずに、篭ったり、内部を伝わってくる音に依存した発声であった部分が、うまく抜けてくるように思えました。先日のAO関節の解放に続き、頚椎上部から頭蓋の繋がりが動き出した気がする。

 

ロルフィングではこのように、10シリーズを受けて、半年後に骨が動き出したりすることが多々ある。シリーズ終了後も、自分の体を意識して、アウェアネスを続けていくとさらに様々なことを感じる場合もある。

 

体は可能性に満ちている。通院や病院をはしごしても良くならなかった症状や、長年の不調や違和感。様々なアプローチがあるので決して諦めないで欲しい。