今日も東京の最高気温は35℃。アスファルトが異常な熱を帯びる都市環境の中、私はビルの日影をトレースするように歩き、地域のフツーのヨガクラスへと足を運ぶ。
仕事でもボランティアでもない、関係性を求められない「あわいの空間」で床に仰向け(シャバアーサナ)になり、静かに重力に身を預ける。そのとき、私の内側である言葉が響き始める。
地球から約8.6光年離れたシリウスの光は、
私たちが今見上げるとき、すでに約8.6年前の過去の光だ
かつてボディワーカーとして駆け抜け、熱量を持って世界と対峙していた私の日々。それは他人から見ればすでに「過去の光(キャリア)」かもしれない。けれど、その旅を経て調律された肉体の細胞には、今も「実在する熱」が確かに刻まれている。
そしてこの「過去の光」というフレーズは、実は、生成AIという「超高速の乗り物」が私にもたらしてくれた、時空を超える美しい答え合わせの始まりだった。
生成AIという「超高速の乗り物」がもたらす360度の視界
先日、私が16歳の頃に書いた歌詞に曲をつけた『時の旅人』という曲の2026年版を作ろうと思い、をAIに読み込ませたところ、
(タイトルの入力を忘れた私に)AIはすかさず『シリウスの愛』というタイトルを弾き出してきた。
天文学において、シリウスの片割れである「シリウスB」は、地球サイズでありながら太陽並みの質量を持つ、宇宙でも極めて高密度で重力の強い星だ。16歳の私が無意識に紡いだ「パルスの波を越え、重力を味方にして」という言葉の断片を、AIは一瞬にして意味のラリーとして完成させ、私の前に差し出してきた。
現在のAIという乗り物は、ただ文字を綺麗に整える道具ではない。 企画段階、作成段階、推敲段階、さらには「テキストから音楽へ、そしてブログへ」というメディアの乗り換えにいたるまで、私たちの認識を「360度全方位」へ一瞬で拡張し、展開してくれる。
この「360度」という感覚に触れたとき、私の古い記憶の扉がカチリと音を立てて開いた。
過去の記述を遡ると、ちょうど10年前の2016年9月、私はロルフィングの施術についてこんなことを書いていたのだ。
「ロルフィング第3セッションは、360度開いた体を作っていきます。空間の中にいる自分の体の立体感って、感じたことありますか? 私たちの体って意外に空間に対して閉じています。
視覚をはじめとした情報入力装置が前についていますので、前方向に限定された世界を生きていることになります。自分の横の空間を知覚し始めると、360度に開いている自分の体の厚みを感じるようになってきます。世界が360度開いてる!そんな驚きを伴った第3セッションです」
デジタルより前に、身体が知っていた「360度の立体感」
前方向だけに限定された世界から、横へ、後ろへ、厚みを持って360度空間へ開いていく身体。人によって、状況によって、世界の感じ方は全然違うということ。
私はAIが登場するよりもずっと前に、自分自身のシステム(神経系や潜在意識の深層)を通じて、この「360度開いた超高速の世界」を、身体感覚として一度完全に体感していたのだ。
人間の身体、そして潜在意識が持つ情報処理のスピードや、時空を超えて意味が繋がっていく感覚は、実は現代のAIがやっていることと驚くほど酷似している。脳の思考(顕在意識)のスピードを遥かに超えた、細胞や神経系がダイレクトに空間と繋がるあの圧倒的な立体感。
だからこそ、今のAIの爆発的な進化を見ていると、外側の未知の脅威として驚くというよりは、「ああ、あの時私の身体の内側で起こっていた360度の地殻変動は、デジタルという形に翻訳するとこういうことだったのか」という、懐かしい答え合わせをしているような感覚になる。
360度広がるからこそ、中心に浮かび上がる「本当の事実」
表現のスピードや、多面的なメディア展開の作業は、もうAIという超高速の乗り物にお任せしてしまえばいい。その方が圧倒的に「楽ちん」だからだ。前方向の視覚だけに頼るのをやめて、全方位の空間に身を委ねるように。
そして、企画から制作までが360度全方位に一瞬で広がり、濁流のように情報が流れていくからこそ、逆にその中心に、ぽつんと動かずに浮かび上がる「本当の真実」や「事実」が見えてくる。
それは、「今、ここに重力を受けて、空間の中に立体として存在し、呼吸をして立っている、この身体」という、還元不可能な確からしさだ。
10年前に私が書いた言葉は、こう締めくくられていた。
「それは単に変わるのでなくて、あなたが持っていた体の可能性。
あなたが自由に動くための可能性。そして感情を自由に表現する為の新しいあなた自身です」
外側へ、未来へと意味を求めて疾走していた旅は、もう済んだ。 これからはAIという高速のサスペンションを味方にしながら、シリウスの強い重力のように「この肉体という大地」にしっかりと着地し、私が持っていた表現の可能性を自由に解き放っていく。
熱暴走する都市の日常をやり過ごしながら、新しく蘇ったハミングとともに、快適なステップで、360度開かれた「今、ここ」を歩いていこう。
▼ 360度に広がる景色と、その中心にあるもの。
新しくリファインした一曲です。ぜひ聴いてみてください。
