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偶然の再会

原宿で中華料理を食べていた時、ゆっくりとした足取りの小グループが入ってきた。その中に見覚えのある人がいた。ピンときた僕は、思わず彼の名前を呼びかけた。「〇〇さん!」

 

彼は最初、誰だかわからないような表情をしていた。しかし、僕が彼に近づき、改めて声をかけ、自己紹介をし、経緯を説明すると、彼は僕の手を取り、ぎゅっと握り返してくれた。その時、彼は思い出したようで、顔に笑顔が広がった。

 

「ああ、テツさん!」

 

彼は、7月に行ったダイアログ・イン・ザ・ダーク(下記参照)でのガイドの方だった。全盲である。何かを思い出したように、彼は話し始めた。「テツさんは…ロルフィングですよね!」その他にも、あの日僕たちが話したことをいくつか覚えていてくれた。聴覚と触覚の記憶というのは、本当にすごい。僕たちはしばらく手を握り合いながら再会を喜び、言葉を交わし、またの再会を約束して、力強く手を握り合って別れた。本当に良い再会だった。

 

人と人が出会うと、何かが起こる。

それは時に、奇跡を呼ぶ。

それは、あなたが自分の体と出会った時でも同じだ。

 

 

 

 

 

 

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

http://www.dialoginthedark.com/

 

ダイアログ・イン・ザ・ダークは、暗闇という見えない世界で、視覚以外の感覚が研ぎ澄まされ、その素晴らしさや心地よさを知ることができる施設です。少人数のユニットで暗闇の中のツアーに出かけ、その道案内人は、暗闇のスペシャリストである視覚障害者の方々です。普段なかなか接する機会のない視覚障害者と私たちが、暗闇という彼らの世界に入っていくことで、稀有な出会いが生まれます。生まれて初めてのコミュニケーションが生まれるかもしれません。そして、暗闇の中に置かれた私たちの知覚は、普段とは異なる場所に降り立ち、五感を再編成していきます。ここでの体験は、私たちに新しい可能性を示唆してくれるでしょう。出会い、体感、そして自分自身。様々なことを思い、感じることでしょう。それは、参加する人それぞれにとって異なる体験となるはずです。ぜひ、あなただけのダイアログ・イン・ザ・ダークを楽しんでみてください。

お一人での参加はもちろん、友人や、最近関係がうまくいっていない彼女、夫婦、親子など、新しい関係性を築きたい方と体験するのもおすすめです。暗闇という特別な空間で生まれる、都市型のエンターテインメントです。