
(対話方式で感想をお聞きしました)
吉田: 長きにわたりお疲れさまでした。10シリーズは楽しめましたか?
Oさん: ありがとうございました。毎回とても楽しかったですし、違うプログラムで行うセッションが毎回待ち遠しくなるような感じでした。
吉田: シリーズの中で、特に印象的だったことはありますか?
Oさん: 色々ありますね。例えば、セッション1を終えた時に猛烈な眠気に襲われました。それは今までに体験したことのないものでした。セッションが進むにつれて、セッション後の猛烈な眠気は起こらなくなりましたが、セッション中の心地よいまどろみが今でも懐かしく思います。
毎回そうだったのですが、やはり、変性意識状態、まどろみ状態、シータ波というのでしょうか。その、寝ているのか起きているのか分からないような状態で、色々な変化が起こるのが不思議でした。セッションはものすごく心地よかったです。
吉田: 普段、私たちは無意識のうちに深いところで体を固くしてしまい、緩んでいないんだと思います。10シリーズを有意義なものにするために、つまり、なかなか自分では手放せないものを手放してもらうために、少し意識を休んでもらう状態で、体が自然にリリースしていくのを促すような感じです。
ロルフィングでは「イールド」と呼んでいて、「明け渡す」という意味です。このイールド状態になると、体が自然にニュートラルな状態になりやすくなるのです。
Oさん: その心地よさが、自然とここに向かいたくなるんです(笑)。それが無意識に(笑)。
吉田: はい、無意識ワークですから(笑)。話題を変えますが、ロルフィングを始められたきっかけはどんなことでしたっけ?
Oさん: 普段の不調です。普通のアプローチでは解消ができなかったもの、根本的には治らなかったものが、「元に戻す」というアプローチに惹かれて来ました。うーん、確かに面白かったな。やっぱり不思議なのは、ただ触っているだけなのに、色々なドラマティックなことが体で起きることです。
なぜか分からないのですが、今日なども、足先を触れられただけなのに、肩のあたりが緩んでいます。つながりが生まれてくる。不思議。本当に不思議すぎます!そのうちにそれが普通になり、その状態に委ねられる。とても気持ちいいです。
「体が元々持っていた機能をニュートラルに戻しただけ」という吉田さんの説明も、体感として納得できますし、私自身、本当にそれを緩めたかったので、私が求めていたのはこれだったのかなと思っています。
吉田: 出会うべくして出会ったという感じですね(笑)。良かったです。日本だと野口体操も同様ですが、自然な状態に戻していくものです。ロルフィングは、10回という区切り、つまり「切り閉じ」の中で統合を図っていくものです。そして、ロルフィングでは「クロージャー」と呼びますが、終わりがあるということが大きな特徴です。永遠に通い続けなくていい。これは施術としては他にはあまりないものではないでしょうか。
Oさん: 吉田さんが話すことは、色々と気づきが多くて、「私の体は、特に悪いところはない。むしろ昔の良かった状態を守ろうとしてガチガチになっているんだ」と言われた時に、本当にそうだなと気づかされた感じです。
どこかのセッションの時に、吉田さんが言っていた「体占い?」でしたっけ? あれが面白かったです(笑)。なんかすごく的を射ていたなと思います。変な占いよりも的確に私のことを捉えていました。
吉田: 私はそんなことを言っていましたか? 確かにアイダ・ロルフは、人の立ち姿勢と10mの歩きで、その人の人生が全て分かると言っていたので、私も無意識にそんなことができるようになっていたのですね。いやー、無意識です(笑)。
「ボディ占い」か…いいですね、新しいメニューにしようかな(笑)。
Oさん: 確かに今の「体」は、過去からの蓄積に基づいているわけですよね。あるセッション中、歩いた時に抵抗を感じた時がありましたよね? それまで、前に前に意識が頑張っていたのが、体が統合されニュートラルな状態に戻っていくうちに、本来そんなに頑張らなくてもいいってことに気づいた瞬間でした。
吉田: ありましたね。体の中での関係性が高まっていくにつれ、体が統合して有機的に動き出すようになります。実生活でも、外との関係性も変わっていく人が多いですよ。
Oさん: そうかもしれません。進路について「思うところに行こう」と意識を向けると、前は躊躇があったのに、今は現実が変わっていくようになっている気がします。考えてみればなぜそうなのか分からないけど、確かにそういう風になっている自分がいる気がします。
吉田: 私の印象的だったことを一つあげてもいいですか? それは、こめかみのシワがなくなっていたことです。
Oさん: ああ! それは大きいですね。昔から寝ている間に苦しそうな顔をしているとずっと言われてきたので、それがなくなったのは大きな象徴的なことです。それは私にとって、ものすごく良かったことだと言えます。それにしても不思議な施術ですね。どうやってやるのですか?(笑)。
吉田: セッションの仕方ですか?(笑)。うーん、自分でも分かりませんが、こういうのも人間の潜在力の一つだと思いますね。人間にはそういう力が元々あったんだと思いますよ。だって、私は元々広告を作っていた人間ですし、特別な能力ではないことは事実です。
ただ、今私がやっているやり方は、ロルフィングを習った時とは違うやり方をしていますね。それはたくさんのクライアントさんと出会い、どういうやり方がいいのかいつも試行錯誤して研究してきた結果、今のやり方に落ち着いています。身体性も使いますが、脳や意識、無意識の力を引き出して、そこでの施術を行っている感じです。今はこのやり方が基本になっています。
人間には「ボディイメージ」というものがあって、それが身体を一つにまとめています。身体だけでなく、その人を一つにまとめているような体系があります。言語もそうですし、言語にならないイメージもあります。そして「信念体系」というものもあります。少し難しい話をすると、そうした体系の自然な状態を整えていくと、実際の身体が整っていくことも多いのです。
吉田: 他に何か言いたいことはありますか?
Oさん: 最後のセッション10の時に、今まで「空間が広がった感じしませんか?」と言われてもピンとこなかったのですが、突然「あーーー!こんな感じか!」と、まさにアハ体験!感覚がシフトしました。今でも視野が広く、空間の捉え方が変化している感じです。
体の変化もこのように無意識下でパラダイムシフトが行われるのなら、もう元の感覚には戻れないですよね。ロルフィングは「一生に一度受ければ良い」と言われることがありますが、こういうことなんだ、と実感したところです。
その他にも、セッション中のおしゃべりでヨガやピラティスの話がよく出ていましたが、私も「またやってみようかな」と思い立ってから、ピラティスの個人レッスンのご縁ができるまでのダイナミックな流れも実感しています。これからの人生が面白くなってきています。
体の統合と同じように、生き方も自然と自分自身のありように従って、広がりを持っていけるのではないかと予感しています。これって楽しいですよね。
吉田: そうですね。自然になるということは、生きやすくなることですね。人は思い込みや忙しさの中で自分らしさを忘れてしまっていることもあるので、そういうことを思い出す機会としても10シリーズは面白いと思います。
Oさん: 吉田さんは、同年代として自分にも刺激になります。すごく前を向いて意識的に、ビジョンを持って生きている。考えていることを現実に持っていこうとする機動力や、ワクワク楽しそうにしている姿は素晴らしいと思います。夢が現実になっていくような雰囲気に満ち溢れています。夢を語る人は私の周りにはいないから、特に同年代では皆無です。すごく刺激になりました。
吉田: ありがとうございます。たくさんの言葉をいただき、ありがとうございます。またの機会にお会いしましょう。新しいOさんと次回お会いできることを楽しみにしています。今日はありがとうございました。