
こんばんは。
私たちの身体は、絶えず様々なリズムを刻んでいます。
例えば呼吸。成人の安静時の呼吸数は、一般的に1分間に12~20回とされています(ちなみに、今私の呼吸を数えてみたところ14回でした)。この正常値は年齢によって異なり、新生児では35~50回、乳幼児では30~40回と言われています。
そして、脈拍も重要なリズムの一つです。健康な成人の安静時の脈拍数は、1分間に約60~100回とされていますが、個人差が大きいのが特徴です(夕食後の私の脈拍は71回でした)。運動時の目標脈拍数は、一般的には最大心拍数(220 - 年齢)に対する割合で決まります。青年期であれば160回程度、年齢が上がるにつれて下がり、私の年齢では130回程度が目安となりますが、個人の体力レベルによって異なります。無理のない範囲で運動することが大切ですね。トレーニングされた方の場合、安静時の脈拍数がさらに低い(40回/分台など)こともあります。
クラニオセイクラルセラピーでは、脳脊髄液のゆっくりとしたリズムを捉えることがあります。これは一般的に1分間に6~12回程度と言われています。さらにゆっくりとしたリズムも存在します。身体の様々なリズムを整えることは、身体や脳の状態、神経系の落ち着きを取り戻す上で重要であり、そのような目的でリズムに働きかけるセッションが行われます。
ここで、身体のリズムについてもう少し深く掘り下げてみましょう。
ルドルフ・シュタイナーは、人体の周期的なリズムに関して次のような考えを示しています。自我(魂)のリズムは24時間、アストラル体(感情や感覚)のリズムは7日、エーテル体(生命力や成長)のリズムは28日である、と。
これを少し例えてみます。
もし悲しい出来事が起こった場合、それが自我のレベルの感覚であれば、しっかりと悲しみを感じることで、およそ24時間程度でその感覚は和らいでいくかもしれません。より深い心の痛みを感じたとしても、1週間程度、その感情に寄り添うことで、徐々に薄れていく可能性があります。そして、死んでしまいたくなるような衝撃的な出来事であっても、およそ28日間、その感情と向き合うことで、癒えていくプロセスを辿ることがあると言えるかもしれません。
もちろん、感情の現れ方やその処理にかかる時間は人それぞれであり、一概には言えませんが、シュタイナーのこの考え方は、感情が時間とともに変化していく可能性を示唆していると言えるでしょう。
感情をしっかりと受け止めることは大切ですが、辛さから目を背け、無意識に感情をブロックしたり、特定の行動パターンを繰り返してしまうこともあります。心理学的には、未完了の感情が、恐怖や不安と結びついて、防衛機制と呼ばれる代償行為を生み出し、それがその人にとって安定した状態のように感じられている場合があります。このようなパターンは、自分自身ではなかなか気づきにくいものです。
ボディワークのアプローチが時にメンタルな領域にまで及ぶのは、感情が身体的な感覚と深く結びついているからだと考えられます。近年、クライアントの抱える問題の幅やセッションのテーマが広がり、身体から心身のフィールド、ソマティックな文脈へと展開してきた背景には、心の健康への関心の高まりとともに、より統合的なアプローチへのニーズが増していることがあるのかもしれません。それは、まるで新しい人生を歩むための心地よいリズムを、身体という深く豊かな大地の中で探求する旅のようです。身体は、私たちがまだ知らない多くの可能性を秘めていると言えるでしょう。