カテゴリ:ロルフィング用語



ロルフィングで大切にしているキーワードとして、先日クロージャーをお知らせしましたが、二つ目は、パリントニシティというコトバです。聞きなれない用語ですね、これはロルフィングの造語で「二方向性」という意味です。 二方向性ってなんだろうって思いますよね。...
Rolfing · 2016/03/07
ロルフィングには、身体の構造と機能の調和を目指す上で重要な5つのプリンシパル(原理)があります。その中でも特にユニークな概念が、今回取り上げられている「Closure(クロージャー)」、つまり終結という考え方です。一般的に、治療やケアといったものは終わりを定めず継続していくイメージがありますが、ロルフィングの基本となる10シリーズは、明確に終わりを設定し、そこに向けて緻密にデザインされた統合のプロセスなのです。 統合とは、深化であり、本来性の顕現 ロルフィングにおける「統合」とは、単に体の歪みを整えるということではありません。それは、体全体が有機的に繋がり、本来持っているバランスを取り戻すことで、その人自身の全体性、つまり「全体として一つである」という感覚を深めていくプロセスです。まるで、幾重にも重なった層が剥がれ、核となる部分が現れるように、体が深化していくにつれて、その人本来の、生粋のあり方が自然と現れてきます。それは、無理に着飾る必要のない、その人らしい体が姿を現すと言えるでしょう。 終わりがあるからこそ、深化する この「終わりを決めて、そこへ向かっていく」というロルフィングの発想は、初めて聞くと不思議に感じるかもしれません。病院や一般的な整体などでは、症状の改善や維持のために継続的なケアが行われることがほとんどです。しかし、ロルフィングは、10回という限られたセッションの中で、明確なゴールを設定し、そこへ向かって集中的にアプローチしていきます。 この終わりがあるからこそ、各セッションはより意図的で、深い変容へと繋がるのです。まるで、旅の終わりが決まっているからこそ、一つ一つの景色を大切に、密度の濃い時間を過ごせるように。10シリーズを終えた時、あなたは以前の体とは明らかに異なる、より統合された、新しい体と出会うでしょう。 「一度メルセデスになった体はフォードには戻れない」 ロルフィングの創始者であるアイダ・ロルフ博士は、この変化を「一度メルセデスになった体はフォードには戻れない」と表現しました。これは、10シリーズを通して得られた体の変化、機能性、そして感覚は、一時的なものではなく、その人の本質的な変化として深く根付くことを示唆しています。 そして、10シリーズの最終セッション、セッション10は「クロージャーセッション」と呼ばれます。それは、単なる10回目のセッションというだけでなく、この統合の旅の終始であり、新たな始まりを意味する特別な時間です。私たちはいつも、この最後の晩餐のような気持ちで、クライアントの変容を最大限にサポートさせていただきます。